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WomanGoal: ビデオの力で、夢とチャンスが出会う場所

Frederik Hvillum (Translation by Ai Farkas)

Sep 10, 2025

マドリードで行われている WomanGoalのエリートトレーニングキャンプ。 ここには世界中から才能ある若きサッカー選手たちが集まり、夢のプロ契約をかけて日々競い合っています。また、このキャンプでは最新の映像技術が導入されていて、選手たちの一瞬を逃さず記録。 その重要な一コマが、彼らの人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

マドリード郊外にある広大なスポーツコンプレックス。
午後の太陽が、きれいに整えられたピッチを照らしています。ここが WomanGoalです。女子サッカー選手がアマチュアからプロへとステップアップしていくプロセスを大きく変えてきた組織です。
その原動力となっているのが、とてもシンプルで力強い武器、「映像技術」

現在キャンプには20人の選手が参加しています。その中には、ヘタフェ出身の16歳ミッドフィルダー、アマンダと、 幼い頃からフットサルや11人制で腕を磨き、遠くアルゼンチンのメンドーサからやってきた19歳のカシアナの二人の女性がいます。二人の姿は、まさにWomanGoalが持つ「国境を越える広がり」と「挑戦する意志」を象徴しています。

地元大会から世界へチャンスをつかむ

アマンダのWomanGoalへの道は、トレベハでの大会優勝から始まりました。
「大会で優勝して、私がMVPに選ばれたんです。そのときにホセレからこの賞をいただきました」と彼女は語ります。この表彰がきっかけとなり、名高いキャンプに参加するチャンスを得ました。 アトレティコ・マドリードやマドリードC.F.のアカデミーを経て、現在はヘタフェの女子チームでプレーしています。

一方、カシアナの道のりは少し違っていました。 「2週間前に監督から『空きがある』と聞かされて、すべてがあっという間に進んだんです。今でも信じられない気持ちです」と彼女は振り返ります。 女子クラブが少ないアルゼンチンでは、カシアナは長年主に男子チームでプレーしてきました。 その後、アンデス・タジェレスやゴドイ・クルスを経てフットサルに取り組み、そこでの活躍がWomanGoalのスカウトの目に留まったのです。

プロの体験を味わう

このキャンプはただのトレーニングではなく、プロサッカーの世界に浸かれる特別な体験です。世界中から集まった選手たちが一緒に暮らし、互いの経験を分かち合いながら、それぞれのサッカー文化を学んでいきます。

「まさに文化交流なんです」とアマンダは言います。
「スペインとアルゼンチンでは言葉の使い方が少し違うので、いつも『あなたの国ではどう言うの?』って聞き合ってるんですよ。」
この国際色豊かな環境は、WomanGoalが掲げるグローバルな人材育成の考え方そのものです。

初めてヨーロッパに来たカシアナも大感激。 「ヨーロッパ、しかも歴史あるサッカーの街マドリードに来られるなんて本当に信じられないです。施設も本当に素晴らしく、アルゼンチンを出たのはチリに行ったとき以来だったので、余計にすごいと感じますね。」

見られることで強くなる

WomanGoalの大きな特徴は、すべてのトレーニングや試合をシステマチックに映像で記録していることです。多くの選手にとって、自分のプレーをプロの形で撮影してもらうのはこれが初めての経験になります。

「映像に残すのってすごく大事だと思います。自分のプレーを見てもらえるし、成長にもつながります」とカシアナは言います。
「ミスも良いプレーも両方見られるので、ポジショニングや判断力の改善にすごく役立つんです。」

一方、アマンダは、これまでに試合映像を見た経験がある分、その実用性を強調します。
「最近クラブからハイライト映像を求められたんですけど、私のチームにはカメラがないし、毎試合を父に撮ってもらうわけにもいかなくて…。でも、ここならその問題が解決するんです。」

映像技術の効果は、選手の成長にとどまりません。Liga Fやプリメーラ・フェデラシオンのスカウトたちが定期的にWomanGoalのイベントに足を運ぶため、しっかりとした映像がそろっていることは、選手にとってリクルートのチャンスをつかむ上で欠かせないものとなっています。

テクノロジーが生む可能性

キャンプではVeoカメラが設置されていて、選手たちの輝く瞬間をしっかり捉えてくれます。 「トレーニングや試合が記録されるのはすごく大きいことだし、大事なことです。成長にもつながるし、スカウトに見せられる映像を作れるのもありがたいです。特権みたいなものですね」とカシアナは話します。

アマンダが特に感心しているのは、その先進的な機能。
「カメラが選手を個別に追いかける新しい機能はすごいです。ボールを持っていないときの動きまで分析できるので、戦術面でとても役立ちます。」

この技術は二つの役割を果たしています。1点目は選手の成長のため、2点目はスカウトへのアピールのためです。
「スカウトの仕事を助けてくれるし、私たちもより多くの人に見てもらえるんです」とアマンダは語り、映像が才能とチャンスをつなぐ架け橋になることを理解しています。

プレッシャーとパフォーマンス

常にカメラやスカウトの目にさらされる状況は、独特な心理的プレッシャーを生み出します。「カメラがあると、ちょっと見せたくなるんですよね」とカシアナは笑います。 「映っていると思うと、ドリブルを仕掛けてみたくなるときもあります。」

それでも二人は、このプレッシャーこそが自分たちが目指すプロの環境の一部だと理解しています。アマンダはさらに、『所属クラブと対戦する可能性がある』という特別な課題に直面しています。「会長が見ている前でプレーするのは、ちょっと不思議な気分になると思います」と、ヘタフェBチームとの試合を控えた心境を語りました。

夢がカタチになる

キャンプは、選手それぞれにとって意味や目標が異なります。 カシアナにとっては、ヨーロッパサッカーのトップレベルに到達することが目標です。 「私の夢は、スペインのトップクラブ、特にバルセロナでプレーすることです。レベルの高さ、プロ意識、歴史を考えると、やっぱりヨーロッパサッカーが一番だと思います。」

一方、アマンダの目標の一つは母国代表としてプレーすること。 「ナショナルチームでプレーできたら最高です。私は二重国籍なので、スペインかブラジル、どちらでも選べます。」ただ、現時点での彼女の焦点はスペインサッカーでの成長にあり、とくにヘタフェのトップチームでの活躍を目指しています。

未来を育てる

WomanGoalでは、競争よりも協力を大切にしています。「ここではお互いから学ぶことが大事です。一人の選手が呼ばれたら、それを一緒に喜ぶべきです。私たちの番も必ず来ますから」とアマンダは話します。

このサポートし合う環境は、映像技術によって記録・保存され、長く続くつながりを生み出します。 「トレーニングや友情、コーチのアドバイス、チームメイトとのつながり…」カシアナがこのキャンプで一番大切に持ち帰りたいのは、まさにこうした経験です。

次なる世代が動き出す

二人の選手は、自分たちが女性サッカーにおいてかつてないチャンスを持つ世代であることを理解しています。「私たちの世代には、これまで以上のチャンスがあります。しっかり練習して、あきらめず、この素晴らしい時代を存分に活かしてください」とカシアナはアドバイスします。

アマンダも同じ思いを語ります。
「夢のために戦って、ネガティブな言葉は気にせず、楽しむこと。今はかつてないほど多くの女の子がサッカーをプレーしています。」

映像技術のおかげで、すべてのスプリント、タックルなど、輝かしい瞬間が記録されます。これから数週間でプロ契約を勝ち取るかどうかにかかわらず、彼女たちのプレーは残り、成長は数字で確認でき、夢はしっかりと生き続けます。

チャンスは「正しい場所に正しいタイミングでいること」に左右されることも多いスポーツですが、テクノロジーがあれば才能が見過ごされることはなく、夢には必ず実現の可能性があります。

スペインでのトレーニングキャンプを終えた後、一部の選手はすでにトップチームとの契約交渉を進めています。

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